海外でのシステム導入 - 7 -
「海外における生産管理と会計のシステム連携」
ー C.S.I. (THAILAND) Co.,Ltd.
サワディー・クラップ!(タイ語で「こんにちは」)タイで30年の実績を持つC.S.I.より、海外でのシステム導入についてご紹介いたします。
2019年12月、『ユーザーのスキル向上で、「原価(Costing)管理」の実現へ)』というトピックにて、海外での原価管理についてお伝えしましたが、原価管理の需要は海外でも高まってきていると感じます。そこで今回は、原価管理を行うための「はじめの一歩」について、ご説明いたします。
●生産管理システムと会計システムの連携
生産・在庫・購買・会計などの多くの情報を紐づけて行う原価計算。原価管理を行うためにERPシステムを導入する企業も少なくありません。もちろんERPで全てを管理するのが理想の姿ですが、まずは生産管理システムと会計システムの各データを連携することから始めるというのも一つの方法です。弊社が拠点をおくタイでも、次のステップを原価管理と見据えて、海外対応の生産管理システム『 Factory-ONE GL(エクス)』と、海外対応の会計システム『 SwifT(東計電算)』などを連携する例が多くあります。
●会計システムは、その国の商習慣に合わせたものを採用する
ところで、国ごとに会計基準や商習慣が異なるということはご存知でしょうか。日本企業が海外展開を行う際には、一般的に「IFRS(国際会計基準)」に準拠するケースが多いと思いますが、例えばタイの場合は「TFRS(タイ財務報告基準)」といった独自の基準が存在します。そのため、その国ごとの会計基準・商習慣に対応した会計システムを採用することが必要です。
●まずは「生産数」と「AP/AR」の連携から
原価管理を行うためには、一度に全てのデータを連携させるのではなく、小さく始めて、問題なければ次の連携へと進めていくという手順をオススメします。全てを一気に連携した方が少ない手間に見えるかもしれませんが、たくさんのデータ連携を一度に行うことはハードルが高く、上手く計算が出来なかった場合の原因特定にも大きな労力がかかります。
では、生産データと会計データはどのように連携を行えばよいのでしょうか。
前述の『Factory-ONE GL』と『SwifT』を連携した際の例では、<出荷情報(Shipment)と売掛金(AR/Accounts Receivable)>、<受払実績(Material/PartReceiving)と買掛金(AP/Accounts Payable)>の連携を最初のステップと設定しました。もちろん連携できる項目は他にもありますが、まずは「生産数」と「AP/AR」の連携を行い、問題なく連携確認できた後に原価に繋がるデータ項目を設定しています。
経験上、原価管理のみならず、海外でのシステム導入は「一度に欲張らず、1つ1つ堅実に進めていく」ことこそが成功の秘訣です。「原価管理は難しい」と考える方は、まず、こうした簡単なところから始めてみるのはいかがでしょうか。
海外進出に関してお悩みがありましたら、このメールへの返信の形でご相談ください。最後までお読みくださりありがとうございました。コップン・クラップ!
C.S.I. (THAILAND) Co.,Ltd. プロフィール
拠点であるバンコクを中心にソフトウェア開発・導入支援の実績をもち、2020年に創業30周年を迎える独立系IT企業。『Factory-ONE 電脳工場』シリーズの海外サポートパートナー。http://www.csigroups.com/