DXが加速する新たな価値を提供し続けること
~2021年の取り組み
― 株式会社エクス 常務取締役 稲葉 秀嗣
昨年は新型コロナウイルスに翻弄された一年でした。4月の緊急事態宣言発令を受け、弊社では在宅勤務の実施に向け、ネットワーク環境の整備や押印廃止のためのペーパーレス化等、テレワーク可能な環境整備に追われました。また、オンラインを前提とした営業、サポートに切り替え、ウィズコロナを前提としたニューノーマル時代の働き方改革に取り組みました。
各部門が新型コロナ対策を実施し、業績への影響を最小限に抑えるとともに、お客さまのテレワークやDXを推進する新しいサービス「製造業のDXを推進するサービスライブラリー『 EXfeel 』」をリリースさせて頂きました。
並行して6月には社長直轄で「社内DXプロジェクト」を立ち上げ、10年後を見据えたビジョンを描き、Phase0『志動(しどう)』というテーマを掲げ、情報収集と意識改革の定着に取り組みました。振り返ってみれば新型コロナウイルスという脅威に直面し、ピンチをチャンスに変えるべく、弊社の働き方改革、DXへの取り組みが大きく加速した一年でした。2021年は社内DXプロジェクト3カ年計画の初年度として、『定着』をテーマにさらにデジタイゼーションを加速させます。
我々の社内DXプロジェクトには2つの目的があります。
一つは、デジタルをフル活用することで社員の意識を変え、固定観念に囚われず変化に迅速に適応し、企業文化を変革しながら新しい価値を創造することで社会に必要とされる企業になること。もう一つは、我々のDXへの取り組みから得た体験をDX推進フレームワークに落とし込み、中小製造業のDXを成功に導くことです。
DXを進める上で何から手をつけていいのか悩まれているお客さまも多いと思いますが、弊社では効果的に、デジタイゼーション、デジタライゼーションへとステップアップするために、まずは現状の業務プロセスの可視化に取り組んでいます。昨年末にBPM(Business Process Management)ツールの導入を決定し、年初からフロー作成のルール作りに着手しています。6月には現状の可視化を終え、どこに改善の必要性があるのかを議論し、業務プロセスの改善やデジタイゼーションに取り組む予定です。
また、各部門においても今年はDXを意識した施策に取り組んでいます。営業部門ではデジタルマーケティングを強化します。動画等のデジタルコンテンツを整備するとともに、ソリューションごとのWebサイトを刷新。マーケティングオートメーションの導入にも着手しています。営業プロセスの改革としては、従来の組織をインサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスの3つの機能に分け、各チームが連携することで最適なタイミングでお客様にアクションを起こし、顧客解像度を高めるとともに、お客さまの課題に寄り添う体制の構築を目指しています。
サポート部門では、Factory-ONE 電脳工場MF/SCの導入サポートについて、従来のウォーターフォール型ではない、導入やカスタマイズ要件の少ないアジャイル的な案件について、ユーザー様が主体となって導入を進めていく手法にもチャレンジしています。
また製品面では、2025年を見据えた「クラウドネイティブな次世代生産戦略サービス開発プロジェクト」をスタートしています。クラウドニーズの更なる高まりを受け、Factory-ONE 電脳工場SCをクラウドサービスとして提供する準備も進めており、オプションとしての音声認識やモーション解析、AIの実装にも取り組み、今期のリリースを目指しています。海外へのアプローチについては、Factory-ONE GLをASEAN、中国以外の東ヨーロッパ等へも展開すると共に、海外の優れたサービスをいち早くリサーチし、日本国内のお客さまにご紹介できる体制も整えてまいります。
最後に、昨年末に公開された「DXレポート2 中間取りまとめ」(出典:経済産業省ウェブサイト)にも記載されていますが、約95%の企業がDXに全く取り組んでいない、あるいはDXの散発的な実施に留まっており、今後、中小製造業においても勝ち組と負け組の格差が広がることが予想されます。ただ、中小製造業はアジリティが高く、トップがDXの本質を正しく理解することで、大企業に比べてより早くDXが進む可能性があります。日本のものづくりを支える中小製造業を衰退させないためにも、お客さまにはDXの本質を正しくご理解いただき、DXが加速する新たな価値を提供し続けることが弊社の使命と考えます。
今後ともエクスにご注目ください。