エクスの海外事業への取り組み
― 株式会社エクス
ソリューション事業本部 営業統括部 アスガロフ フセイン
株式会社エクス ソリューション事業本部 営業統括部の海外事業展開を担当しております、アスガロフ フセインと申します。まず、簡単な自己紹介をしたいと思います。私は学生時代から、日本と日本文化に大きな興味を持ち、2013年頃から日本語を勉強し始めました。将来いつか日本で留学したい、働きたいと決めて、2018年度の日本文部科学省の留学生向け奨学金に応募しました。試験と面接を突破し、奨学金を獲得することができ、2018年4月に日本に留学しました。京都大学大学院に入学して、エネルギー経済を専攻していました。以前から国際業務に非常に興味がありましたので、大学院修了後、グローバルな事業を立ち上げるポジションにつきたいという目的で就職活動を続けていた中で、株式会社エクスに出会い、最初の面接からエクスの人々にも会社全体にも大きく共感を持ち、是非この会社で働きたいと思い、入社しました。現在エクスでは、海外事業展開に携わっており、今後の海外事業に向けてのマーケティングや営業戦略の立案、各種資料やホームページのローカライゼーション、海外パートナー開拓など、幅広い業務を行っております。
2020年は全世界にとって非常に苦しい1年となりました。急速に広がった新型コロナウイルス感染症の影響で数多くの業界が傾いてしまい、経済的な損失を大きく出してしまいました。世界中で見ても、製造業もその一つといえるでしょう。アメリカのある研究会社が行ったアンケート調査によると、およそ60%の製造企業がコロナ禍の影響を大きく受け、ビジネス、製造現場に直接悪影響を与えたと回答しました。また、パンデミックは特に製造業におけるサプライチェーンシステムにも大きなリスクを及ぼしたとKPMG社やデロイト社が指摘しています。
2021年とその先数年の製造業において主な動向をまとめると、今後の不測事態に備え、サプライチェーンレジリエンスを中心としたデジタルトランスフォーメーション(DX)が更に加速化していくことが、最近よく取り上げられています。KPMG社が公開した「グローバルな製造業の見通し2020」(英:Global Manufacturing Outlook 2020)によると、サプライチェーンをよりフレキシブルにするため、インダストリー4.0のテクノロジーを有効活用することで、さらなるレジリエンスを追求することが予測され、また、デロイト社のレポートでは、製造業は今後さらにデジタルテクノロジーを活用し、製造のあらゆるプロセスの可視化、見える化を追求すること、デジタルツインの導入がさらに増加することが予測されています。
この様に、DXが更に求められ、加速化していくと思われる中で、弊社もいち早くグローバル事業展開に向けて取り組み、DXによる新たな価値を日本国内のお客様だけでなく海外のお客様にも提供していこうと考えています。弊社にとって、パートナーネットワークは最も重要で必要不可欠なチャンネルの一つであるため、まず、海外事業展開を進めるにあたって、国内外のパートナー様を繋ぎ、戦略的パートナーシップを構築するということを軸としました。具体的にいいますと、インタラクティブなグローバル事業に向けて、双方向で海外事業に取り組むことで、弊社と国内外両方のパートナーが、情報共有、ノウハウ共有、ネットワーキングの強化を目指すということになります。双方向とは、弊社製品、そして国内パートナー様の製品やサービスを海外のお客様に提供していくだけではなく、今後パートナーシップを構築する海外IT企業の優れた製品も国内のお客様に提供することを意味します。
このようなミッションを実現させるために、新営業プロセスの一環として、パートナーサクセスというフレームワークが誕生しました。これまで主にアジア太平洋の一部の日系企業様とのみパートナー取り引きを行ってきたため、それ以外のエリア、国において、弊社の認知度、知名度を高める必要があります。そこで、海外企業に弊社についての情報を見て頂けるように、弊社ホームページの英語版を作成し、7月にリリースしました。またSNSも日本語に加え、英語でも投稿し、積極的に活動していきます。既に、ビジネス特化SNSとして知られているLinkedInにも会社ページを作成し、運営を始めています。現在、国内企業はもちろん、海外の数多くの企業でもLinkedInを採用し、営業活動、採用活動などのツールとして活用しています。今後は、弊社を認知していない、または認知度の低い海外のIT企業に向けて、これらのツールを利用しながら、マーケティングと営業活動をリンクしながらアプローチし、パートナーシップ構築に向けて進めていきます。
また、パートナーサクセスの主な役割として、パートナー様の事業成功に寄与することやパートナー維持率向上、生涯価値の向上をさせることに取り組んでいます。
これまで弊社は、アジア太平洋を中心とした日系製造企業様に向けて、様々なソリューションやサービスを提供してまいりましたが、今後はより幅広いエリアや国に進出していこうと考えております。そこで、まずIT業界やIT技術が加速的に発達しているエリアに重点をおき、パートナー開拓をし、ネットワークを構築していくことにしました。具体的には、アジア太平洋のタイ、ベトナム、マレーシア、そして東ヨーロッパのロシア、ウクライナ、ブルガリア、ポーランド、また、インドや南米などの国やエリアが上げられます。最近のITアウトソーシング動向を見ると、西ヨーロッパや北米、その他の先進国でも開発費や人件費を考慮し、先ほど取り上げた国やエリアのIT企業に業務を外部委託もしくは業務提携することも少なくありません。
それから、今後、日本国内のお客様にどのような海外のIT製品をご提供するかにつきましては、様々な選択肢を考慮しています。その一つが多機能ERPシステムの提供です。弊社の生産管理システムであるFactory-ONE GLやMFなどに標準装備されていない機能があるシステムを輸入し、国内でプロモーションする方向です。例えば、製造業のニーズに合わせた人材管理、財務管理、CRM(顧客管理)などを開拓し、Factory-ONE GL、MFとの連携を検討しております。また、DX推進の一環として、製造業にとどまらず、多種多様な業界に対応するBPM、ビジネスプロセスオートメーション関連ソフトウェアやその他のツールなどの提供も今後、検討していきます。
まだ始まったばかりのパートナーサクセス事業ですが、国内ニーズに合う最も需要の高い製品を提供できるよう、今後は日本国内のお客様とパートナー様を対象にアンケート調査等も実施し、ご意見を反映していきたいと考えますので、どうぞ、宜しくお願い致します。 そして、今後のインフォメーションにもご注目ください。
参考サイト
・KPMG, 2020年のグローバルな製造業の展望(英:Global Manufacturing Outlook 2020):
https://home.kpmg/xx/en/home/insights/2020/11/global-manufacturing-outlook-2020.html
・Deloitte, 2021年の製造業の展望(英:2021 manufacturing industry outlook):
https://www2.deloitte.com/us/en/pages/energy-and-resources/articles/manufacturing-industry-outlook.html