映画をみて使えるフレーズ<2>
“Back To The Future”後編
今年はビジネス英語から離れ、映画、ドラマ、SNSを題材に、リアルですぐ使える英語をピックアップしています。前回に引き続き、映画“Back To The Future”から使えるフレーズをご紹介します。前回の復習をされたい方は、下記サイトをご覧ください。
https://www.xeex.co.jp/column/eng/49
<開始 約56'18>
マーティがドクと高校に行くシーン。ドクの見解によると、マーティが過去に戻ったことで、父のジョージと母のロレインが結ばれず、マーティも生まれないという仮説を提示した後のマーティのリアクション。
Marty: That sounds pretty heavy.(それは大変だ!)
Doc: Weight has nothing to do with it.(この話に重さは関係ない!)
このシーンは非常に面白いです。マーティは“heavy”という形容詞を使い、「大変だ!」と表しています。“heavy”は重いという意味がありますが、1985年、若者のマーティは“heavy”という単語を俗語として、「深刻な」「困った」「すごい」「かっこいい」という意味で使っています。一方、1955年では、そのような使い方はしないので、当時のドクはその台詞の後に「重さは何も関係ない。」と突っ込んでいます。“heavy”を2020年の表現で表すとしたら、「ヤバイ」ではないでしょうか?「ヤバイ」という単語も状況に合わせてそのニュアンスや意味が変わります。
マーティの母、ロレインがマーティに恋をしていることを知った時にも、“heavy”が台詞に登場します。
Marty: Whoa this is heavy.(それは大変だ。)
Doc: There's that word again "heavy". Why are things so heavy in the future?
Is there are problem with the earth’s gravitational pull?
(また、その言葉だ「ヘビー」。未来ではどうして物がそんなに重いんだ。地球の重力に異変があるのか?)
Marty: What?(えっ?)
大変な状況を認識するシーンですが、マーティとドクの会話がここでも噛み合っておらず、おそらくこのシーンではクスクスと笑い声が出るはずです。
カジュアルな表現になりますが、“It's heavy.” “That's heavy.” は色々な状況に使える便利な表現です。
<開始 約1:01>
ビフとマーティが揉めるシーン。ここでは、ビフが捨て台詞を使いますが、表現が間違っています。ビフの頭の悪さが露呈されます。しかし、このシーンを吹替え版で観てしまうと、その間違いが省略されてしまうのでそのまま観たいシーンです。
Biff: So why don't you make like a tree and get outta here!(木のように、ここから出て行け!)
正解は“make like a tree and leave”という表現になります。leave(立ち去れ)が葉っぱのleavesにかかっています。しかしビフは頭が悪いので、get outta here(get out of here)と使っています。威圧感満載で言い放った言葉だからこそ、この間違いは鈍臭い後味を残します。ビフが憎めないキャラクターなのはこういうところから来ているように感じます。
“make like a tree and leave”の表現は「去る」という意味なので、この表現も日常的に使えます。意味はシンプルですが、このようなフレーズがスッと出てくるとネイティブっぽくなりますし、より英語らしい表現になります。
1985年で通用する表現が1955年では通じないというシーンが多いのが、この映画を面白くしています。まさに、そのやりとりは漫才を見ているようです。脚本が素晴らしいとはこのことだと感心します。一つ一つの表現や会話に着目すると、そこから多くを学べます。実際、他の映画でもこの映画が引用されていたりと、“Back To The Future”は、映画の教科書的存在で、絶対押さえておかないといけないものです。また、この映画は3部作になっていますので、繰り返し同じようなフレーズが出てきます。それもまた復習になり、リピートすることで記憶できます。このメルマガを読んで、“Back To The Future”を見直したり、初めて見るきっかけになれば幸いです。
映画の詳細は下記のサイトをご参照ください。
https://www.imdb.com/title/tt0088763/?ref_=fn_al_tt_1
関西Actualizers(アクチュアライザーズ) プロフィール
2015年4月設立。経験を通じて、「海外留学や海外生活を考えている人たちの背中を押したい」と考える関西のグループです。 海外生活をする、外国人を迎え入れることにあたって知っておくと良い事や役立つ情報などを発信しています。
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