英文法<9> 仮定法 ①
今回は、英文法の「仮定法」についてお届けしたいと思います。「仮定法」と聞くと、学校で習った「If I were you…」という出だしを思い出す方もいらっしゃるのではないでしょうか。「仮定法」は丁寧な表現として活用できるので、ビジネスの場で最適な英文法の一つだと思います。また、「Can you~?」よりも「Could you~?」の方が丁寧な表現といえますが、これは現在のことを敢えて過去形を使う仮定法だからです。気付かずに、使っていらっしゃるかもしれませんね。「ああしていれば良かった、こうしていれば良かった」など後悔の念を表すことにも使えますので、日々の愚痴などにも使えますね。
そもそも「仮定法」とは、何でしょうか。仮の話や想像上の話を伝える時の「動詞の活用の一つ」が仮定法になります。「実際はそうじゃないだけどね」という概念が入っています。今回は、この仮定法を仮定法過去、仮定法過去完了、仮定法現在の3つに分け、焦点を当てたいと思います。
1)仮定法過去
仮定法過去では、「実際にそうではないけど、仮に今そうだとしたら・・・」という「今の仮定」について、動詞の過去形が使われます。
If I were you, I would complain to your boss directly.
(もし私があなたなら、上司に直接文句を言うけどね。)
「私」が「あなた」になることはないので、この場合は仮定法を使います。話し手と聞き手の間で状況が共有されているのであれは、「If I were you」を略して、「I would complain to your boss directly.」と表現することも可能です。If節が無い場合もあるので、慣れておきましょう。
なぜ、現在の事なのに「過去形」を使うのかご存知でしょうか。英語では、過去形を使うことで距離感を作り、丁寧さを表現したり、現実から離れている状況を表現したりすることができます。過去形を使うからといって、必ず過去のことを言ってる訳では無いのです。「あの人の連絡先を知っていれば、連絡できたのに」という場面は、以下のような仮定法過去を使って表現できます。
If I had his email address, I could contact him right now.
(彼のメールアドレスを知っていたなら、今すぐ彼に連絡できたのに。)
If we had more staff in my department, we could keep a better work-life balance.
(自分の部署にもっとスタッフが居たなら、もっとワークライフバランスが保てるのに。)
2)仮定法過去完了
仮定法過去完了は、「あの時、実際こうではなかったけど、仮にそうだったら、こうしていたのに」といった事を伝える時に使います。
If I had reported that problem to my boss earlier, he would have given me some more advice.
(もし、私がその問題について早く上司に報告していたら、もっとアドバイスをくださっていたかもしれない。)
仕事をしていると、「もっと早く報告しておくべきだった」と思うことありますよね。そんな時に使える表現です。
仮定法過去完了の形は次のようになります。
If節は「主語+had+過去分詞」、帰結説は「主語+助動詞の過去形+have+過去分詞」となります。
3)仮定法過去と仮定法過去完了との混合パターン
これは、「あの時~だったら、今は~なのになぁ。」と過去に何か策を講じていれば、現在は違う状況だったということを伝える時に使います。
If I had accepted the job offer from C corporation, I could earn a lot more now.
(C会社からの内定を受けていれば、今はもっと稼いでいただろうな。)
このように過去の出来事に対して、「こうしていれば、今はこのようになっていた」と伝えたい時に使うことができます。
今回はここまで。次回も引き続き、仮定法について、ご説明致します。
関西Actualizers(アクチュアライザーズ) プロフィール
2015年4月設立。経験を通じて、「海外留学や海外生活を考えている人たちの背中を押したい」と考える関西のグループです。 海外生活をする、外国人を迎え入れることにあたって知っておくと良い事や役立つ情報などを発信しています。
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