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~coffee break~
カンボジア最新情報(2020.03)


 今回は英会話を少しお休みし、カンボジアの便利なスマホとアプリについて少しご紹介したいと思います。

 カンボジアでは、固定電話の回線が整備される前に携帯電話やインターネットの普及が進んだので、固定電話がある家庭は珍しい状況です。国内のスマートフォン普及率もかなり高く、先進国に比べると電波に問題があることは多いですが、都心部のみならず地方に住む人にも所有者が増えています。そのおかげで、カンボジア国内でも様々なスマホアプリが利用されています。

 ちなみに、日本ではiPhoneが変わらずの人気機種だそうですが、こちらではOPPOやSamsung、HUAWEIなどの機種が人気で、価格も100ドル程度で買えるものがあり、2台所有している人もよく見かけます。また、携帯電話は基本的に契約料金や月額基本料金などは発生しないプリペイド式が主流で、SIMカードであれば1ドルから購入でき、そこら中でチャージ用のプリペイドカードが売られています。最近では無料Wi-Fiが使用できる場所も増えているので、うまく使いこなすと、月々5ドル程度に抑えることも可能です。

 


 そして、スマホを所持するカンボジアのほとんどの人が利用していると言っても過言ではないくらい利用されているのが、「テレグラム」というアプリ。連絡用アプリの1つですが、LINEやメッセンジャーよりもユーザーが多く、政府や行政関係で働く人たちにも連絡ツールとしてよく利用されているそうで、私もカウンターパートと急いで連絡を取りたい時に必ず利用しています。ただ、このような連絡用アプリを利用する場合、日本人の使い方と少し違うなと感じるのは、カンボジア人は音声メッセージを録音して送り合うというところ。トランシーバーを使うような姿をよく目にします。おそらく、クメール語は文字にすると長くなるので、入力するのが大変なんだと思います。故に、あちらこちらで携帯電話のスピーカーの部分に耳をあてて録音されたメッセージを聞いている人に遭遇します。そして、その後、返事と思われるメッセージをマイクに向かって録音している光景を目にします。最初に見たときは、なんだか不思議な感じがしましたが、今ではその様子に慣れ過ぎて、なんとも思わなくなりました。が、久しぶりに日本に帰国すると、誰もそんなことをしていないので、やっぱりカンボジア独特だな、と改めて感じています。

 そして、テレグラムよりも、私が毎日お世話になっている便利なアプリがあります。今では、このアプリなしでは生活できないほど。それは、「Grab」という配車サービスアプリです。交通手段が発達していないカンボジアでは流しのタクシーはなく、電話で予約して乗車するのが一般的でした。また、3輪タクシーのトゥクトゥクやバイクタクシーなどは、行先や値段交渉をしなくてはならず、外国人にとっては非常にハードルが高いです。赴任当初は、まだこういったツールはなかったので、どこへ移動するのも本当に大変でした。毎日の通勤は決まったドライバーにお願いし、週末に出かける際も、知り合いを通して電話で予約してもらっていました。値段も決して安いわけではなく、少しの距離でも2~3ドル、場合によってはタクシーと変わらない料金になることもありました。

 ところが、赴任して半年ほど過ぎた時に、Uber(アメリカ生まれの配車サービスアプリ)がカンボジアでも利用できるようになったのです!移動するのが劇的に楽になりました。そして、この頃から同様のアプリが色々と登場し、他の東南アジア諸国と同じで、配車サービスアプリの競争が激しくなりました。結果、Uberは東南アジアから撤退することとなり、Grabというシンガポール生まれの企業に統合され、現在はGrabが主流となっています。もちろん、車だけでなく、トゥクトゥクやバイクタクシーも、このアプリで呼ぶことができるので、非常に助かっています(ただし、現時点ではプノンペンとシェムリアップの2都市に限られる)。

 そして、こういったアプリの普及と同時に、都市部ではトゥクトゥクの姿も変わってきました。昔からあった、バイクの後ろに座席をくっつけた旧式タイプから、インドでよく走っている小型の三輪タクシーが増え(インドから輸入している)、今では旧式タイプを見つける方が難しくなった感じがします。そして、街を走るトゥクトゥクの台数が、かなり増えたと思います。副業として、トゥクトゥクドライバーになるケースも多いようで、若い人や女性のドライバーも増えてきました。さらには、料金も前に比べて3分の1ほどになり、以前とは比べものにならないくらい移動が便利で安価なものになりました。

 


旧式タイプのトゥクトゥク
人数が多い時や、荷物が多い時は便利。
市場周辺や地方では、まだまだ需要が高い。

インドから輸入している新型トゥクトゥク
小回りが利くのと、
雨の時はしっかりカバーされるので安心。



 今では、Grabだけでなく、カンボジア発の「PassApp」とよばれる配車アプリや、「Nham24」という「Uber Eats」のような出前サービスを提供するアプリも出てきています。ここ3年間で、瞬く間に便利になり、数年ぶりにプノンペンに来られた方々は、必ず声を揃えて「便利になったぁ」と感心されています。タイやシンガポールに比べると、まだまだサービスの内容は多くありませんが、アプリがあるだけで、随分、生活が助かっているということは言うまでもありません。
 これからも、ますます便利になっていくことが予想されますが、一方で見慣れた光景が次々と変わっていくことには少し寂しさも感じます。さぁ、これからカンボジアはどうなっていくのでしょうか。

関西Actualizers(アクチュアライザーズ) プロフィール

2015年4月設立。経験を通じて、「海外留学や海外生活を考えている人たちの背中を押したい」と考える関西のグループです。 海外生活をする、外国人を迎え入れることにあたって知っておくと良い事や役立つ情報などを発信しています。
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