~coffee break~
カンボジア最新情報(2022.11)
スォスダイ!関西ActualizersのEllyです。
前回のカンボジア通信は初夏にお送りしましたが、あっという間に秋というか、今年も終わる季節になりました。カンボジアは6月頃から始まった雨季がようやく終わりそうです。特に、8月から続いていたスコールは洗濯物が乾きにくく、街中で洪水が起き、通勤が大変でした。これからやっと気温が下がり、過ごしやすい乾期になるのが楽しみです。
最近、プノンペン市内では観光シーズン到来に伴ってか、一段と観光客が増えたように感じます。カンボジア観光省によると、今年に入ってから急激に増加し始めた観光客数は、8月に延べ50万人に達したそうです。もちろん、コロナ前の2019年には年間660万人以上の外国人観光客が訪れていたそうなので、そこまで戻るにはまだ時間がかかりそうですが、新しいホテルやレストランなども増え、お土産屋なども再開しています。
私自身も、9月末に3年ぶりにタイのバンコクを訪問したのですが、入国審査でワクチン接種証明書の提示を求められただけで、全く問題なくスムーズに入国できました。久しぶりのバンコクを楽しみましたが、改めて、プノンペンの経済力との大きな差を感じました。大都会バンコクには、ドン・キホーテやマツキヨ、ローソンなど、日本でお馴染みのチェーン店も多く、今や日本のものならほとんど手に入り、まるで日本に帰国したのかと錯覚するくらいでした。ただ、物価上昇やインフレはタイでも起こっていて、以前に感じたお得感は全くなく、モノによっては日本よりも高いと思うものが沢山ありました。ということで、今回はカンボジアで感じる物価上昇や生活の様子についてご紹介させていただきます。
カンボジアは、2016年に「低所得国」から「低中所得国」に格上げされ、コロナ渦になるまでは、毎年7%に近い経済成長率を保ってきました。10年前に比べると、随分インフラ等開発が進み、順調に発展してきましたが、皆さんにはどのようなイメージがあるでしょうか。
これまでも、すごい速さで変わりゆくカンボジアをお伝えしてきましたが、現在も首都プノンペンでは建設ラッシュが続いており、日々、高層ビルが増えています。また、物価に関しても、この1~2年で急激に上昇し、ずっと3%前後を保っていたインフレ率は今年8%近くにもなり、過去10年で最も高くなりました。同時に賃金も上がっており、今年9月には、カンボジア労働職業訓練省が来年の最低賃金を月額200ドルに設定することを発表しました。2014年に月額100ドルだったことを考えると、約10年で2倍となったことになります。
私がプノンペンで生活している中で最も感じる物価上昇は、外食の値段です。もちろん、背景には原材料の高騰があるのですが、今年に入ってからよく行くカフェのサンドウィッチが、$4から一気に$5となりました。円安の影響もあって、飲み物を一緒に注文すると1,000円ほどになります。外国人をターゲットにした価格設定の店に限ったことではなく、ローカルの屋台や食堂でも同じことがいえるようで、以前は$1.5ほどだった麺類が今では$2や$3を超えることもあり、カンボジア人にとっても高く感じるようです。先日、地方の食堂で食べた麺類も値上がりしていたので、これはプノンペンに限ったことではなさそうです。2019年にこのコラムでご紹介した屋台のコーヒーも、当時は100~200円でしたが、今では200円を超えるのが当たり前でやはり高くなった気がしてなりません。
- 値上がりしたカフェのサンドウィッチ
- 田舎の食堂の麺類は$2.5(約400円)
また、イオンモールにはダイソーがあるのですが、日本で100円の商品がこちらでは$1.9で、値上げはされていませんが、円換算すると300円と日本の3倍の値段になります。
$1.9の商品が並ぶダイソー
現地通貨よりも米ドルが流通しているカンボジアなので、私のように円ベースで給与をもらう日本人は、円安の影響をものすごく受けています。プノンペンでの生活は、円からカンボジアリエルに両替をすることはほぼなく、円からドルにして利用することがほとんどです。家賃や光熱費も全てドル建てで請求が来ますし、スーパーやレストランでも、ドルでの清算が可能です。家賃なども上がっていなくとも、以前に比べると高くなったと感じてしまいます。
では、日用品や食料品についてはどうでしょうか。日本でも、様々な商品の値上げが相次いでいると聞きますが、カンボジアでは、日本のように企業が商品価格の改訂を発表するということは稀です。そのため、気づいたら値上げしていたということはありますが、ほとんどが輸入品になります。例えば、タイからの輸入しているトイレットペーパーは、24ロール入って$10.5になっています。円にすると1,500円近い値段です。以前は$7ほどで、セール時で$5くらいになることもありましたので、今や倍の値段といえます。
タイ製24ロールのトイレットペーパーは$10.5(約1,500円)
食料品に関しては、昨年のロックダウン時は野菜や生鮮食品の値段が高騰していましたが、その後は比較的安定しています。それでも数年前から比べると、数十円程度は上昇しています。個人的には、イオンで購入する日本の食品類が高くなってしまい、買うのに少し躊躇してしまいます。
5袋入りラーメンは$6.5(約1,000円)
ガソリン価格は国際価格に連動しているので、一時急速に上昇したようですが、原油価格の下落を受け、落ち着いてきたようです。レギュラーだとリットル$1.2ぐらいでしょうか。カンボジア人の中にはガソリン代を節約するために自転車やバスを利用して移動する人が増えています。
新型コロナが少しずつ落ち着いてきたかと思うと、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、スリランカの深刻な経済危機、エリザベス女王のご逝去など、様々なことが次から次へと起こり、世界情勢は刻一刻と変化しています。暗いニュースも多い世の中ですが、一方で私が活動するカンボジアの田舎ではまだ平和な時間が流れています。先日、元気いっぱいのカンボジアの子供たちを見かけたので、のどかな田舎の風景と共にみなさんにお届けしたいと思います。
本年もカンボジア通信を読んでいただき、ありがとうございました!
- 田舎の小学校で元気いっぱいの子供たち
- サトウキビ畑が広がる風景
次回は2023年になります。来年も、関西Actualizersをどうぞよろしくお願いします。
そして引き続き、英語コラムとカンボジア通信をお楽しみに!
関西Actualizers(アクチュアライザーズ) プロフィール
2015年4月設立。経験を通じて、「海外留学や海外生活を考えている人たちの背中を押したい」と考える関西のグループです。 海外生活をする、外国人を迎え入れることにあたって知っておくと良い事や役立つ情報などを発信しています。
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